
フィルム写真を始める上で必要な用語だけを厳選しました
最初はこれだけわかれば十分フィルム写真を楽しめるはずです
露出の基礎
フィルム面に当たる光の量(写真の明るさ)のこと
絞り値とシャッタースピードとISO感度の組み合わせで決まります
写真が明るいことを「露出オーバー」、写真が暗いことを「露出アンダー」「露出不足」という言い方をします
絞りは、光が通る穴の大きさを調整するもの
開いている方が光をたくさん取り込むことができ、絞りが閉じていると光を取り込む量が少なくなります
絞りの開き具合を数値化したものを「絞り値」「F値」といいます
シャッターが開いて、フィルム面に光が当たっている時間のこと
速くすると動いているものが止まって写り、逆に遅くするとブレて写ります
フィルムが光を感じる感度を数値化したもの
数値が高いほど少ない光で写真を写すことができますが、ノイズも増えます
逆に数値が低いと多くの光で写さないといけませんが、ノイズが少なく綺麗に写せます
フィルム
カメラの通した光の情報を記録する感光材料のこと
露光されることで表面の感光体が反応し、それを現像することで画像情報が定着されて記録媒体となります
フィルムの種類
白黒で撮るフィルム
カラーで撮れるフィルム
撮った画像が反転して記録されるフィルム
撮った後で色味や階調、明るさなどある程度調整ができる
撮った画像が反転せずに記録されるフィルム
撮った後で色味や階調、明るさなど調整ができないため、露出がシビアで扱いが難しい
他にもスライドフィルムやリバーサルフィルムなどの呼び方がある
フィルムを装填した円筒状のカートリッジ
長巻フィルム(35mmフィルムを長く巻いたもの)をパトローネへ装填する道具
120フィルムを巻き付ける巻き上げ軸
ロールになっているフィルムのこと
35mmフィルムや120フィルムのこと

シートになっているフィルムのこと
4×5や8×10のこと
フィルムのサイズ
1番ポピュラーなフィルムサイズ
135フィルムとも呼ばれ、フィルムの幅が35mmであることが由来

中判カメラで使用するフィルムサイズ
ブローニーフィルムや中判フィルムとも呼ばれる

35mmフィルムを縦に半分にしたサイズのこと
倍の枚数、写真が撮れる
中判カメラの撮影サイズ
撮影面積がほぼ6cm×4.5cm
中判カメラの撮影サイズ
撮影面積が真四角のほぼ6cm×6cm
中判カメラの撮影サイズ
撮影面積がほぼ6cm×7cm
中判カメラの撮影サイズ
撮影面積がほぼ6cm×9cm
大判カメラの撮影サイズ
撮影面積が4×5インチ
大判カメラの撮影サイズ
撮影面積が8×10インチ
機材
フィルムカメラ
フィルムを使って撮影できるカメラのこと
種類がたくさんありますが、たくさん手に入れても使える数には限りがあります
カメラの上部から覗き込む形式のファインダーのこと
一般的な二眼レフカメラがこれにあたる

目の高さで後ろから覗き込んで見るファインダーのこと
一般的な一眼レフカメラがこれにあたる

撮影用レンズと直結していないファインダーのこと
撮影用レンズの焦点に距離測定に連動しているためピントを合わせられる

カメラが自動的にピント合わせること
手動でピントを合わせること
針穴がレンズの役割をしたカメラのこと
安価な材質を用いたカメラ
同一の構造でも品質にばらつきが多くみられ独特の描写をするものが多い
撮った写真を専用フィルムにその場で現像できるカメラ
代表的なものとして、ポラロイドやチェキ(富士フイルム)がある
レンズ
絞りの値のこと
F値が小さいほど絞りが大きく開いてレンズは明るく(=レンズを通る光量が多い)、シャッター速度を速くできる
レンズの中心からフィルム面に結像するまでの距離のこと
一般的に28mmや50mm、300mmなどmm(ミリ)の数値で表されます
焦点距離の数字が大きいほど望遠レンズと呼び、写る範囲(画角)が狭くなります
広い範囲が写る画角のレンズ
一般的に35mm判換算で35~28mm以下の画角
いちばん人間の視角に近い画角のレンズ
一般的に35mm判換算で50mm前後の画角
ちょっと遠くが写る画角のレンズ
一般的に35mm判換算で70mm~135mm程度の画角
遠くが写る画角のレンズ
一般的に35mm判換算で135mm以上の画角
焦点距離が変えられないレンズのこと
ズームレンズに比べて、開放F値が小さいレンズが多いです
焦点距離が変えられるレンズのこと
最大撮影倍率が大きく、小さなものに近づいて画面いっぱいに大きく写せるレンズのこと
レンズのガラスに含まれる物質が、経年で変質しまい写りがふんわりになってしまう状態
中古でよく「レンズ内クモリあり」となっているものがその状態です
必ずしもクモリがあるからといって悪いわけではない

その他
カメラとレンズを連結する部分のこと
マウントごとに規格は異なり、カメラとレンズのマウントが同じなら他メーカーでも装着できます
逆に同じメーカーでもマウントが違うと、装着できません
カメラやレンズを分解して、調整・修理すること
ヒロアカのオーバーホールではありません

緩衝材や遮光材として使用されているウレタン素材のモルトプレーンのこと
経年劣化しボロボロと粉塵になったり、脱落したりしている可能性がある
中古でよく「モルト交換済み」と表記されているものは、このモルトを新しいものに変えてくれているということ
写真表現
色や明るさの濃淡の段階数で、最暗部からハーフトーンさらに最明部までの調子のこと
階調がなだらかな写真はグラデーションが美しく出ます
ピントが合っていない部分のこと
明るい部分と暗い部分の明暗の差のこと
明暗の差が大きいとくっきりとした印象になり「ハイコントラスト」「硬調」といいます
小さいとふんわりした印象になり「ローコントラスト」「軟調」といいます。
写真の中の暗い部分の階調が真っ黒につぶれて本来あるはずのディティールがなくなってしまうこと
写真の中の明るい部分が白一色になり、本来あるはずのディテールがなくなってしまうこと
強い光にレンズを向けた時に画像の一部が白くモワモワとなる現象
レンズ内の光の乱反射が原因

レンズ内の光の乱反射が原因で起こるフレアの一種
くっきりと形が現れて写真に写り込んだもの

画像の中心部の明るさよりも、周辺部が暗くなってしまうこと
写真のザラザラした状態のこと
ISO感度が高いと起こりやすくなる
シャッターボタンを押している間、シャッターが開いて露光すること
手前から奥までピントが合う状態のこと
ピントが合う範囲のこと
F値と焦点距離で被写界深度は決まる
ボケが大きいことを「被写界深度が浅い」、ピントが手前から奥まで合っていることを「被写界深度が深い」といいます
番外編
暗室
フィルムを紙(印画紙)にプリントするところ
光が入らないように暗くしている部屋
感光材を塗った紙のこと
フィルムを映写機の要領で紙に投影することで光に反応し現像処理をすることで画像が浮かびあがる
フィルムから印画紙へ露光するためのもの
大きさやピント、光の強さ、色の調整などを行う
撮影済みフィルムまたは印画紙に画像を浮かびあがらせること
現像の処理を停止させること
現像した画像をフィルムや印画紙に定着させること
フィルムや印画紙の感光材が反応しない波長で光るライト
印画紙をセットして光が当たるサイズや対比を調整する
引き伸ばし機にフィルムをセットするもの
それぞれのフィルムサイズに合わせたネガキャリアがある
紙素材の印画紙
ファイバー素材の印画紙
バライタ紙に比べ扱いやすい
乾燥させたバライタ紙を平らにするために行う処理のこと
